XG
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XGとは?
名前の通りです。
(参考文献:XG仕様書)

独断でまとめただけですので、もし不足箇所や間違いなどご指摘がありましたらメールもしくは掲示板にてお願いします。

XGの特徴

XGとはヤマハの提唱する音源規格です。
ローランドのGS規格とよく比較されますが、GSとの共通点をあげるなら以下の通りです。

  • GMをメーカー独自で拡張
  • 基本音色がGMなのでGM音源としても使用できる
  • バンクセレクトを使用でき、多彩な音色を扱える(最大65536音色までの増加が可能)
  • 様々なエフェクトを装備している
  • 表現力豊かなデータ制作が可能
  • 音色エディットも可能
  • 当然ながら音がいい(笑)

しかし、当然GSと違う点もあるわけで、

バンクセレクトの扱いが違う

ローランドではMSBのみで音色バンクを切り替えますが(LSBは機種専用音色マップセレクト)、XGではMSBとLSBを使って音色バンクを切り替えます。ほとんどの場合がLSBでのバンク切り替えになっており、MSBはSFXバンクやドラムキットバンクの切り替えに使用しています。MU100以降はモデルエクスクルーシブという機種固有の音色にもMSBを使い始め、3次元的に音色を選択することが可能なようです(全て1面配列ですまそうとするGSでは無理な話だろう)。

下位互換を意識した仕様になっている

GSでは下位互換(上位互換も怪しい)が犠牲になっているようですが、XGではMU90用のデータをMU10で鳴らすといったことが可能です。ただ基本音色で鳴りますので、まあ「鳴ってくれる程度」ですが、データが無駄にならないだけでもXGが優れていることの証明でもあります。XGの3本柱の一つである「適応性」がこれに当たります。
また、上位互換も優秀のようです。ただ、MU50用のデータをMU2000で聴くと音が格段によくなるかもしれませんが…。

モジュラーシンセシスプラグインボードの採用(MU100以降の上位機種)

GSを大きく引き離している機能としてあげられるのがMU100とともに登場したモジュラーシンセシスプラグインボード。これを装着するだけで多彩な音楽制作が楽しめるようになりました。これもXGの3本柱の一つである「拡張性」が相当します。ただ、プラグインボード向けに作られたデータはプラグイン非対応機種ではそのパートだけ違う音色で鳴ることもあるようですが…(プラグイン対応機種でもそのボードを搭載してないのは同じような現象が出やすい)。
ちなみにプラグインボードはMU100とMU100BとSW1000XGで1枚、MU100Rで2枚、MU128とMU1000とMU2000は3枚です。

MUシリーズ(MU15を除く)などでは外部入力が可能

全部のXG音源に付いているわけではないのですが、SW1000XGとEOS B2000、そしてMUシリーズ(CBX-K1XGとPCC10XG含む)のほとんどの機種に付いているのが外部入力機能。ギターを接続してセッションしたり、マイクを接続してカラオケを歌うことが可能です。

パート数

最小はMU50相当音源の16パート、最大はMU2000/MU1000で64パート。
市販のXGソングデータ集(ヤマハ製)ではほとんどは16パートで演奏されることが多いようです(MU50対応のため)。

最大同時発音数

MU128の登場で128音も夢じゃなくなりましたが、まだ最大同時発音数が32や64の機種が存在します。
これも市販のXGソングデータ集(ヤマハ製)ではほとんどオーバースペックです。

音色数

将来的にはドラムキットも含めて膨大な数の音色(基本音色が128音色の場合)使えるようにはなっていますが、
現状は最大でMU1000/MU2000で1396音色+50以上のドラムキットです。

採用音源

MU2000/MU1000などほとんどのヤマハの音源はもちろん、QS300以降のオールインワンシンセサイザー(EXシリーズはXG非対応)やCS2xなどのコントロールシンセサイザー、MIDIプレーヤーMDP10「伴奏くん」、QY700以降のQYシリーズ( 私はQY70を所持)、エレクトーンEL-900、クラビノーバCVP-9xシリーズとCLP-870やポータトーンの上位機種に搭載されています。
VA音源モジュールVL70-mもXGに対応しています。といってもS/VA音源が得意とする楽器系のみの対応ですが、そのパートだけVL70-mで鳴らすようにすると、XG音源ではそのパートだけがカットされて鳴ります。ただ外部入力機能のない機種ではミキサーをわざわざ用意しなければなりませんが…。
他社製ではKORGのNX5Rとかが有名でしょう。これはNS5Rのドーターボードスロット部にXGのドーターボードを付けてXG対応にしたものです。XG音源部分の音はAWM2ですけれども。
あと意外な話ですがローランドのSC-88Proにも隠し機能としてXGエミュレーションモードがあります(再現性は怪しいんですけれども)。

その他、ゲーム機のドリームキャスト(セガ)の音源が「XG Lite」という規格に準じているようです(S-YG20相当らしい)。

TG300Bモードについて

これはXGの範疇外ですが、MUシリーズなどに必須のモードなので。
今は亡きヤマハの高性能音源モジュールTG300に搭載されたモードです。GM-Aモードが通常のGM音源モード(TG300ネイティブ。しかもXGと同じようにバンクセレクトLSBを使って音色の切り替えができる)ですが、GSエクスクルーシブを受信する(もしくはパネルを操作する)とGM-BモードというGSエミュレーションモードになります(ただし、GSの音色マップを切り替えるためのバンクセレクトLSBは無視)。このBモードをMUシリーズが継承し、今でもヤマハの音源でGSデータが聴けるようになっています。ソフトシンセサイザーシリーズもTG300Bモードを搭載しています。
音色(ノーマルボイス)はTG300Bモード用で別に用意しているわけではなく、「既存のXG音色配列を変更したもののうちの一部+TG300Bモードのみで使われる音色」といった風になっているようです。例えばS-YXG50のノーマルボイス676音色のうちTG300Bモードに使われる音色は579音色。うち196音色(うち192音色がCM-32/MT-64音色)がTG300Bモード専用音色で、残りの383音色がXGの音色配列を変更したものということになります。
MU100などの1000音色以上の機種ではTG300Bモードでは音色配列を変更するだけのようです(現在では専用音色はC/M共通の192音色かも知れない)。
TG300BモードではSC-88用のデータを聴くことも可能です。

MU2000EX/MU1000EXで正式にGS対応となりました。